吹雪後の散歩

森の話

 
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 2004年初の猛吹雪は低気圧の停滞で各地を大雪で覆った。
我が家の給餌台には、すずめが30羽ほどひしめき合っている。
こんな光景を見ると森の住人はどうしているかと気がかりだ。
青空が広がり始め、出かけることにする。

 森の入り口に住むハルニレのふくろうの洞は雪をかぶり不在をしらせていた。どこかに避難したのだろうか。
雪の森はふんわりと温かい静寂の別世界、どこを見ても、なんと美しいことか。
広葉樹が豪華なレースの衣装をまとい、針葉樹はユーモラスに着飾ってすましている。
静寂を破り、忙しく木々をついばむ小鳥たち。パラパラと砕け散った樹皮が雪の上にこぼれる。
仲間に声をかけながら、少しでも陽のあたる場と餌を確保しようと、近づいても一心不乱。

 上ばかり見ていたけれど雪面も楽しい。
森の奥から現れて、木々の根元に寄り道を繰り返しくるっと回って又森の奥に続くウサギの足跡。
小さくてうっすらとあっちへ行ったりこっちへ行ったりのネズミさん。
ペアでお散歩、時折じゃれあって進んだのか、くっついたり離れたりはリスさん。
まぁここは森の銀座街、キツネとウサギが行ったり来たり交差して賑やかところ。
丘の向こうになにがあるのか、急勾配もなんのその。
吹雪が止んで一斉に活動開始。森の住人たちの行動を想像するだけで楽しい。

冬の陽は芸術家。光と影だけで白いキャンバスに自由に表現する。
そんな陽は、あっという間に頬に刺す風を運んでくる。
「明日またおいで」と言っているように。
                                            野幌原始林にて 04.1.16

          えぞリスの足跡                ?

          野うさぎの足跡

          振り返れば私の足跡
           親子の針葉樹              広葉樹
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