森の話
野幌原始林春まじか
   

 風邪をひいて家でぬくぬくしている間に確実に森は雪解けを迎えていた。
猛吹雪がおさまった朝、一斉に餌を探し求める鳥たちのさえずりが、いつの間にか和らいだ陽射しの中にあった。
雪の重みに耐えたトドマツも雪のトンネルを返上し一息ついている。
「ものしり博士」のふくろうも、厳しい冬を乗り越え悠然とハルニレの大木から森を見おろしている。
日一日と形を変える雪原の下には春がハミングし今年のパフォーマンスを楽しんでいるのかもしれない。

(99'3'1記)

                        真ん中の樹にふくろうがいる

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