出かけようと思いながら野暮用が多くてかなわず、身体はギスギス音を立てている。
今日こそ行こう原始林へ!

何にも考えないで、鳥の声を聞き姿を追って歩く。
木々と空を見上げて深呼吸すると細胞の一個一個が緩やかに元気になるのがわかる。

冬の間重い雪ノ下にあった枯れ葉がプレスされ絨毯を敷いたようにふかふかと心地良い。
トンビがピーヒョロロと羽を広げ輪を描いている。 これこそ春。長閑だ〜。
  
とその時遠くで、キャンキャンと子犬の集団かと思われる泣き声。犬の苦手な私にとっては恐怖。
相当な数の犬たち。困った!もちろん飼い主がいるはず。
でも居ない場合が頭をかすめる。剣の達人のごとく立ち回ればよし。折れた枝を探し手にする。
鬼に金棒とまではいかないがとりあえず。
段々近づいてくる。急にその声は止まった。えっつ!辺りを見回したが、物音一つしない。

やられたぁ。左右を見ると笹薮の向こうは小さな沼ができたいる。
ここは少し谷になっていて、ちょろっと水音がするのはそのせいだ。
沼に目を凝らすと、水面が動いている。なあんだ〜。驚かさないでよ〜。こんなに早く現れるとは。
それは春ほんの少しの期間だけれど相手を求めてうごめくエゾアカガエルの妙な大合唱なのだ。
君たちにやられたよ。

森は春の活動を始めた。花たちも咲き出した。                  (4/18)
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水芭蕉 イチイ(オンコ)
ナニワズ(ナツボウズ) ザゼンソウ
エゾエンゴサク エンレイソウ
フクジュソウ バイケイソウの葉が出始めました

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