森の話
カタクリ咲く森
   

新冠温泉から見えた向かい側の半島、判官館に行く。
一帯が起伏のある公園で、午後の陽だまりに子供たちの歓声が広がっている。

森に目をやると、オオバナエンレイソウの真っ白い清楚な花があちこちに咲いている。
それも駐車場のすぐ側から森の奥へと続いている。
降りて行くと赤紫の花が目に入る。
「な!なんと」カタクリだ。
見たいと願った花が、今足元にが咲き乱れている。
こんなにさり気なく無防備で咲いていようとは。
踏見つけないようにそっと歩く。
カタクリの「どうか、そっとして置いて。私にはここが似合うの」という叫びが聞こえてくる。
下を向いてちょっと跳ね上がった花びらがこちらを向いた。

エンレイソウとカタクリの咲き乱れている森が自然のままいつまでも残っていて欲しい。
太平洋の見える丘の上に。

判官館森林公園にて(2001.5.13)

 
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