根雪になって初めて行く森を想像した。どこをとっても一枚の絵を見るように目の前に広がっていく。木々や鳥たちは元気にしているだろうか。
葉を落とした木々は覚悟ができているのか凛々しく、雪雲の空を仰いでいる。 立ち止まると、小鳥たちがおしゃべりし、リスのおっかけっこで騒がしい。 目の前を黒いものがかすめた。 クマゲラに始めて会ったのは4年前。やはり冬だった。森中に響きわたるドラミングに圧倒されしばし聞き惚れた。 乾いた音の正体を探し当てた時、赤いベレーをかぶり鋭いくちばしが樹を直撃していた。「カァーン、カァーン」
ここ数年、野幌原始林での調査によるとクマゲラの鳴き声は聞いたが、姿は確認できなかったという。でもやっぱりいた。この目で間違いなく確認できたことはとても嬉しい。 (98'11'27記) |